とくに重要なことは2つ。1つは、コミュニケーションの作法を学ぶということ。企画書をプレゼンすることはもちろん重要ですが、そのほかにもユーザーにとってそのサイトが魅力的で使いやすいものになるかどうかは、このコミュニケーションの作法のレベルにかかわってくる問題です。これがクリアできない人は、視覚でメッセージを伝えるグラフィックデザイナーとしても、Flashをつくる人でも、職種に限らず使い物にならないと思います。たとえば、Flashの実装をまかせたら、変なところのボタンがずっと無意味に光ってるとか(笑)。それでは困るわけです。
もう1つ重要なのは、テクノロジーに対する理解があることです。Webに携わる人が、1つの大きな広告キャンペーンにかかわる上で、いちばん武器になるのは、やっぱりテクノロジーに対する理解だと思うんです。Web業界にいる人で、映像もバリバリにすごいものが撮れるとか、グラフィックが本当にすごいんです、という人ってほとんどいないと思います。そういう領域の違う人たちの間で、ちゃんと話を戦わせていかないと、「じゃあ、最終的にはCMやグラフィックの素材を支給するから、寄せ集めてWebで何か面白いものやってね、はいよろしく」といった、修羅場的な状況にならざるをえない(笑)。その前にきっちり話をしておくことが重要なんです。
テクノロジーの話といっても、「Flashでこんな表現ができます」といった表現手法の話だけではありません。たとえば、SNSやTwitterなど、コミュニケーション領域にかかわるテクノロジーの話もあります。そうしたものに対する理解もあり、仕組みも含めたトータルなテクノロジーの話ができると非常に強いんです。グラフィックやCMの人は、逆にそのあたりが弱かったりするので、テクノロジー全般をきちんと把握していると、「じゃあ、ここに頼もうよ。その企画でやってみようよ」と言ってもらえるようになり、その先の細かい企画は安心して任せてもらえるようになります。
大事なのは、自分がやりたいと思う仕事や、自分がコントロールしやすい仕事を、できるだけ数多くこなしていくこと。これは自分の成長にもつながっていくので、これからWebの仕事に就く人は、意識的に取り組んでいくといいと思います。